嫌われる勇気--「自由とは他者から嫌われることである」自己啓発の源流「アドラー」の教えⅠ 岸見一郎

この本は、アルフレッドアドラーの心理学をソクラテスプラトンの対話形式のようなやり方で読者に伝えている。
過去ではなく今の目的に立つ視点は、幸せとは何か?という問いに対する答えを示唆している。また、原因論ではなく目的論に立ち、問題・行動を見極めていく。あくまで行動は目的に基づいてあるもので、原因がありその結果が生まれるものではなく目的があるからその結果が生み出されているという考え方である。
よくなかなか自分が思い描くライフスタイルで生活できない、と嘆くものがいるが、それは選択の問題ということである。これまでのライフスタイルを選ぶか新しいライフスタイルを選ぶかは自分の決意次第ということだ。
アドラーの心理学を一言で言うと、”勇気の心理学”である。勇気を持って決意して行動するか否かに全てがある。そして人における全ての悩みは対人関係にある、と言う。確かに人生は人と関わりその交流の中で生活をして人生を過ごす。孤独感というが、それは他者がいるから孤独を実感するものである。確かにそうだ。劣等感というものも自らの主観的な解釈から作っているものということである。人生は自分の選択次第であり、自分で解釈を選択できる。アドラーの心理学は本質をついている。
課題について言及もしている。その課題は自らの課題なのか、他者の課題なのか?他者の課題に踏み込んでいないか?他者の課題であればそれは切り捨てるべきものである、とのこと。マズローの欲求5段階説に承認欲求というものがあるが、アドラーはこの承認欲求を否定している。承認欲求があるということは他者に依存している、自ら幸せを作れないということになると。承認なき自由の道を選ぶ!課題の分離で人生のカードを自分で握ることができるようになる。また褒めるというのは自分の価値観を押し付けることにもなり、依存性を高めることになる。
自己への関心を他者への関心へ変えていく。
自分は共同体の一部である
より大きな共同体の声、コモンセンスを聞く 
 
今、ここを真剣に生きる
自己肯定ではなく自己受容
ありのままの自分を受け入れる
貢献感は自らの意識から出る
誰かの役に立てているという感覚、貢献感が幸せにつながる
普通であることの勇気
人生は点の連続である
過程がすべて結果である
人生は連続する刹那である
真剣かつ丁寧に今を生きる!
真剣ではあるが深刻ではない!
今、ここに強烈なスポットライトを当てる!
人生の意味はあなたが自分自身に意味を与えること
私が変われば世界が変わる
世界はシンプルであり人生も同じである
 
アドラーの数々の言葉は、心の奥底に響き気づきを与えるものばかりである。
人生、対人関係で悩んでいる方、アドラーの心理学に触れることで肩の荷が軽くなるかもしれません。